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忘れられた(はずの)物語 2007年10月30日(火)

  「さくらさんってさー、毎朝速いわよねー」
本業職場にて突然、隣の係のおねーさまからそう言われました。
早い、ではなく、速い。つまり……。
「毎朝信号のところで会うけどさー、さくらさんの自転車ってすーぐ見えなくなっちゃうのー。速いのよー」
それを受けてもう一方のおねーさまが応えました。
「あらぁ、さくらさんの自転車が速いのは有名だったわよぅ。○○さんのスクーターを追い越したとか、二人乗りで後ろに乗った娘が『あまりの速さに命の危険を感じた』とか。チャリンコボーソーゾクって呼ばれたり、ねぇ?」
……………………………………あうっ。
まさかそんな十年以上前の話を知っている人が同じ課内にいらしたなんて。
本人、すっかり忘れていたとゆーのに。
「まあ、追い越したって言っても、○○さんのスクーターはとろとろ遅くて有名だったけどねぇ」
そ、そうそう、そうですよっ!
ここぞとばかりに自己弁護をこころみたさくらの口からとっさに飛び出たのは、
「い、今は昔ほどスピード出してませんもんっ!」
………………言い訳するには、逆効果だって自分。
 



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